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病院探しを始める。
今週か来週に手術できれば吸引法でできる病院があるんじゃないかと思って、家の近くの病院のサイトを見る。
彼は明日から長期出張。
つきそってくれる人はいないから、1人で帰ってこないといけない。
できれば歩いて行けるところで、電車に乗るとしても近い方がいい。
その範囲内でいくつかウェブサイトを持ってる病院があり、見てみる。
中絶手術をやってるということは書いてあっても、どういう手術をするかをくわしく書いてるところってなかなかない。
書いてあっても、掻爬法ばかり。
吸引法でやってくれるかは電話して聞いた方がいいのかな…。
病院検索サイトを診たり、「中絶 吸引法 ○○(地名)」とキーワードを入れて検索したり。
すると、比較的家から近い電車に乗って5駅)のところの病院が見つかった。
中絶手術について、病院の考え方や手術方法がまで詳しく書いてある。
妊娠8週くらいまでは、吸引法で手術をすると書かれている。
よし、この病院にしよう、と思ってよくよく見たら、今日、火曜日は休診。
手術の翌日は休みたいけど、平日は仕事。
昨日今日と休みをとっているので、その直後に休みはとれない。
となると、手術するのは土曜日しかない。
今週の土曜日に手術をしようと思ったら、今日中に検診に行けないとなぁ…。
この病院だと今日休診日だから、今週末検査で来週手術かな?
でも、どちらにしても同意書が必要。
彼は明日から出張だから、今日中に同意書にサインをもらわないといけない。
同意書だけでも今日もらって来れないかな?
同意書、FAXしてもらったりはできないかな。
他の病院も調べてみたけど、やっぱりこの病院がいい。
休診日だけど誰かいれば、と思い、電話をしてみることにした。
病院に電話してみる。
電話に出た看護士さんらしき人に、生理が一週間遅れたこと、妊娠検査薬を使ってみたところ陽性だったこと、最終生理日、そして中絶希望だということを伝える。
「今日は休診日ですよね?実は彼が明日から長期出張でいなくなるので、今日しか同意書を書いてもらえる日がないんです。」
と話すと、専用の用紙でなくていいから、
- 手術に同意するということ
- 住所
- 名前
- 電話番号
- ハンコ
が書かれていたらなんでもいいですよ、と言われた。
次に、いつ病院に行けるかという話。
今日は休みをとっているのだけど普段は平日は仕事だということを話す。
すると、もう一度今の妊娠週数を確認し、「土曜日に手術できるようにしておきましょう」と言われた。
ナプキンとショーツは、時々袋とかに入れずにそのまま渡てくる人がいるけど、袋に入れて来て下さいね、と。
最後に費用のことを聞き、電話終了。
今週土曜日だったら妊娠5週と5日。
普通は、まず妊娠してるかどうかの検査してから、手術について決めるものなんだろうけど。
妊娠検査薬で陽性だったというのがハッキリしてるし…ということなのかな。
手術する病院、手術する日が決まって、少し安心した。
この日の夕方に彼と会う約束をしていたので、そこで同意書を書いてもらう。
普通に遊んだあと、夜、帰る前に駅で書いてもらった。
○○○○の中絶手術に同意します。
○○ ○○ ●
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内容は、これだけ。
インターネット上に同意書を置いてある病院もあって、そういうところを見たら「麻酔をすることについて~」とか「手術の危険性について~」とか、結構いろいろ書いてあってた。
そういうことも書いた方がいいのかなぁとも思ったのだけど、彼の手で「中絶手術に同意します」とはっきり書いてもらったんだしいいか…、と。
彼は付き添いたいんだけど…と言うけど、出張なんだから無理。
出張から帰ってきたときには妊娠9週、そんなときまで待ったら、中絶したくなくなるかもしれないし。
今なら淡々と準備をして、淡々と手術して終われそうだからね。
病院を決めた翌日、翌々日と少しだけ出血があった。
このくらいの時期に早期流産をするのは珍しくなくて、そうなると普通の生理のような出血があって終わることもあるらしい。
けど、生理のような出血はなく。
手術前日のこの日、異常に眠たい。
朝一回起きて、寝て、昼に起きて、もう一回寝て。
結局、夕方になってやっと活動し始め、スカートを買いに行く。
私は普段スカートをはかないから、持っていなくて。
フレアスカートみたいなものがいいのだけど、よさそうなのが見つからない。
結局、ワンピースになっているものにした。
昼間寝すぎたから寝られないかな?と思ったんだけど、夜も眠くてすぐ寝た。
朝、7時くらいに軽くご飯食べていいと言われていたのだけど、布団の中でゴロゴロしていたら結局食べられず。
シャワーを浴びたあとにまた眠くなってしまい、2度寝。
11時くらいに起き、そろそろ出かける準備を始める。
普段はかないスカートは恥かしいから持って行って病院で着替えようかな…とも思ったけど、荷物になるからはいて行くことにした。
手術当日。
診療時間が午後2時~7時の病院なので、2時少し前に病院に到着。
まだ開いてないみたいだったから、病院の入り口が見えるとこで座って待つ。
開いたみたいなので、中へ。
一番乗りだったので他の患者はおらず、受付で「火曜日に電話した」ということを言うと問診票を渡される。
問診票の内容は、自分の住所氏名などの自分の情報と、妊娠していた場合産むかどうするか、など。
記入して受付に提出。
問診票を渡してからちょっと経って、診察室に呼ばれる。
中に入って、先生が問診票を見ながら質問。
妊娠検査薬で検査をしたか、結果はどうだったのか…など、電話で言ったことを聞かれたので、「電話したことが伝わってないかな?」と少し心配。
彼のこともいろいろ聞かれ、答える。
言いにくかったら答えなくていいですよ、と言われたんだけど、淡々と聞くから思わず全て答えてしまう。
体温計を渡され、腋下で検温しながら腹部エコー。
何も映らず。
その後尿検査をし、内診を待つ。
私が尿検査したりしてる間に来た患者さんが先に処置室での診察を受けていて、その会話が少し聞こえる。
「1回出血が止まったのに、また出始めた」 「しばらく出血するのはあたりまえ、エコーにも何も映らないし、何も問題ありませんよ」
この人も中絶したんだなぁ。
初めての、婦人科の診察台。
台に座り、スリッパを脱いで、足をかける。
うーん、恥ずかしいねやっぱり…。
台が動き、回って上がって、自分の頭よりもちょいと低いくらいに股が来るような位置でストップ。
そのまま、しばらく待つ。
前の人のエコー画像が映ってるモニターがあって、看護士さんが「ここにあなたのが映りますよ」と説明。
先生が来て、内診開始。
まず、頚膣エコー。
何かあれば黒く映ります、と言われて見ていたら、黒い部分が。
これかな?と思ったら、これは卵巣に水が溜まっているらしい。
卵巣のう腫という、一応は卵巣の病気とのこと。
でも、妊娠初期にはよく見られることで、心配することはないと言われる。
そして問題の子宮。
小さいけれど黒い部分、胎のうが映った。
生理がこないこと、妊娠検査の結果が陽性だったことから、分かってはいたのだけど。
これで確実に妊娠しているということが分かった。
処置室を出て、診察室でエコーを見ながら話す。
ここで、「あなたが今日手術したいっていった人ですよね?」と確認されて一安心。
話が通っててよかった。
「そのつもりで電話で同意書のこと伺って、これを書いてもらってきました。」
と、同意書を出す。
私の分は病院で用意されたものに書くのかな?と思っていたので彼の名前しか書いてなかったんだけど、そこに私の名前も書くように言われて書く。
ハンコを押して、渡し、手術についての説明が始まる。
掻爬法だとこの器具を使うから子宮口をこのくらい開かないといけない、
吸引法だとこのくらいの太さが通ればいいから、このくらいでいい、
と、それぞれの器具を出してマジックインキの蓋に入れてみせながら説明された。
掻爬法の器具は先が少し太く、掻きだせるようになっているみたい。
吸引法の器具は、少し太めのペンの先に穴があるようなもの。
「あなたはまだ小さいから、こちらの細い方でやりますよ」、と。
インターネットでそれぞれの方法について調べていたら「吸引法は全部とりきれない場合もある」とあったのが少し心配だったんだけど、先生が「私はこの方法で20年やってるから、大丈夫です」と言うので安心する。
先生曰く、中絶手術で大切なのは、「次回の妊娠、分娩に悪い影響がない様な手術をする事」だという。
そのための1つが、「胎児がなるべく小さいうちに手術を受ける事」。
これは、私と彼の責任。
今回、妊娠週数5週と5日と、比較的早い中絶。
ギリギリになってから決断するよりも体にも精神的にもいいんだから、彼がすぐに中絶に同意してくれて良かった、というようなことを言われた。
もう1つの手術で大切なことは、「手術を絶対に上手に行う事」。
これは、医師の責任。
これについては全面的にお任せするしかないこと。
最後に手術費用を聞き(電話でも聞いていたけど)、お願いしますということで準備へ。
準備として、血液検査のための採決を行う。
手術前の血液検査は、しないといけないと決められているらしい。
その後、待合室でしばらく待ってから、呼ばれて2階へ。
インターネットで調べていたら、「手術後は寝た状態で部屋に運ばれる」とか「後で休む部屋で手術を行う」とかあったのだけど、この病院は処置室が1階で部屋は2階。
自分で上がれるのかな?
部屋で、この日の診察料、血液検査費、手術費を払う。
生理用ショーツとナプキンを渡し、しばらく部屋で待っていてくださいと言われて待つ。
しばらくすると呼ばれ、診察室へ。
待っていると、処置室の方から声が聞こえる。
「自分で歩かないと部屋に行けませんよ」、という看護士さんの声と、「うー…」という声。
あー、やっぱり終わったら自分で歩くんだ、歩けるのかな? と少し不安。
麻酔のための注射をしますね、と、肩に注射。
診察だけですぐに終わるという人がいたので、その人を先に回して、ついに私の番。
診察のときと同じようにして診察台へ。
手術前に私の名前を確認し、麻酔の注射。
この時が、4時25分。
30から数を減らして数えてください、と言われて数えて、30、29、28…と数えて、15くらいからかな?覚えてない。
気が付いたら(といっても朦朧としてるけど)、ショーツを穿かせてもらっているところ。
ボーっとしながら時計を見たら、4時40分くらいだったかな。
診察台が動いて、足を下ろしてもらい、看護士さんの肩に手をかけながら2階へ。
「結構動いたから追加麻酔したんですよ、分かりました?」
と聞かれたけど、全然記憶にはなく。
看護士さんに「目が覚めたらトイレに行って出血があるか確認してくださいね」というようなことを言っているのをボーっとしたまま聞き、内容を理解してるか自分でもよく分からないまま「ハイハイ」と返事。
うー、ちょっとおなか痛いかも…。
しばらくベッドに横になる。